眠れない夜はスクワットを

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コラム

眠れない夜はスクワットを

2019/11/13

坐骨神経痛と眠れない夜に壁スクワット

ストレートネック解消とアゴ出現

痛みをポジティブに受け入れましょう

驚きの壁スクワット効果

太ももとお尻の境目がとても痛むようになってしまった。

坐骨結節と言って、座っていると圧迫される場所であり、足に向かう神経が出ているところであり、様々な原因でここが圧迫されて起こる痛みを総称して坐骨神経痛といわれているそう。

長時間座っていることにより筋肉が固まることもあるし、椎間板ヘルニアは原因の筆頭とのこと。。

ヘルニアはないし、そこまで座りっぱなしが長時間続いたこともない。なぜ私が・・?

 

そう訝しんでいたら、一つ思い当たるフシがあった。

私は七年前に自転車で転倒したことにより大腿骨を骨折し、チタンボルトを接ぎ木にする手術を受けた。直径1センチ以上あるチタン棒が大腿骨の骨髄に入った状態で血行が悪いまま、早く骨を回復させたくて以前のように自転車で坂道を登ったりしていたので大腿骨壊死を起こし、かなり骨頭が摩耗してしまった。軟骨も紙1枚の厚さになって消失間近!そうしたら激痛なので即刻人工股関節に変えなくてはと迫られた。

 

再手術なんて、到底受け入れられることではなかったが、そうしなければ確実に激痛・・そして何より杖なしでは一歩も歩けない状態となっていて、杖があっても、雪道や強風の日は自力では移動できないことも体験していたので、理想を貫いてもいられない状態ではあった。

 

3か月悩みぬいたが、師匠のミケランジェロキエッキの言葉を信じ、人工股関節置換はやめ、チタンボルトはただ抜き取る手術のみとした。

ミケランジェロの言葉通り、紙1枚と脅かされた軟骨はしっかりと留まり、医師が「確実に」といった激痛は来ず、2年後自分の股関節で杖なしでも歩けるようになり、今は小走りできるまでになっている。この自分の骨を切り取って人工股関節に代替などせず本当によかった(^^;

 

しかし、左右の股関節や骨盤のアンバランスにより、気づいたら背骨はかなり側弯してしまった。

脚の長さ、骨盤の高さや傾きが違うし、ビッコになるのは仕方ないかなとは思っていたけれど、

勤め先のいっしき整骨院で「ハーネス」と呼ばれる骨盤底筋群を鍛えるマシーンで四つん這いの姿勢になり、院長の手により、背骨や骨盤に矯正を入れてもらうとアラびっくり!

今まで自覚はなかった側弯が、やや真っ直ぐ方向に動いたのを体感し、それが本来の位置だと身体がとても喜んでいるのがわかった。そしてとても歩きやすく早く歩けるようになった。

 

8年間凝り固まって背骨を側弯させて私の股関節は自力での歩行を見事に支えてくれていたと思う。

それを「本来の位置」に矯正をかけることで、様々な骨盤底筋、靱帯、ハムストリングスたちが急に引き延ばされたりねじれ具合も変わり、骨盤手筋群は大パニック状態だったと思われる。

 

「本来の位置」はまるで背筋が伸びたような気持ちよさがあり、私はできるだけその状態を保っていたいという意識が働いていた。決して無理なく、よい姿勢でいることの緊張を保っていた。

 

が、就寝時この緊張は解け、いわゆる副交感神経優位と言われる状態に身体がなると、昼間緊張で無理に引っ張られていた靱帯や筋肉たちは、一斉に思い思いの安定な状態へ戻ろうとするのだと思う。

「自然な」「生理的な」方向への動きであったとしても、急激に動くとそれは大きな痛みを伴う、それが今の私の坐骨神経痛ではないかと勝手ながら私は決めつけている。

 

しかしあまりの痛さに、最初の3日間は一晩中悲鳴を上げ続け、ほとんど眠れずに朝を迎えた。

この57年の人生で、仕事で徹夜した以外にほとんど眠れなかった夜は、出産したばかりの子供と離れ離れにされた夜と、骨折して手術した夜ぐらいなものである。

骨折の手術をした夜に眠れなかったのは痛みのせいというより麻酔などの興奮作用だったと思う。

麻酔が切れた手術の跡のジンジンとした拍動の痛みは組織の修復と思えたので辛くはなかった。

 

しかし今回はまるで骨そのものが痛んでいるような、かつて経験したことのない強くて深い感覚だったのと、どの組織がどうして痛んでいるのかわからず、ポジティブにとらえられなかったこともありとてもとても厳しい時間になった。

3日目に、院長から上記の痛みではないかと教わり、やっぱり痛みとは「修復邪魔するな」という神経からの通達だったのだと気づいたけれど、痛みが大腿裏側全体と広範囲になり眠れない辛さからどうしても悲鳴が抑えられなかった。

 

隣室で寝ている息子から大クレームとともに「スクワットしろ」という命令が下り、4日目からは何度か起き上がって壁スクワットを始めた。朝方少し眠れた。

5日目はトイレへ立つ前後10回ずつスクワットしたので、一夜で計60回のスクワットができた。

昼間は絶対にできない数が、眠れない夜だからできた。そして夜明け前に眠れ、はじめて悲鳴も抑えられた。

 

立ち上がるといつもより骨盤が立って歩きやすいようにも感じた。

そして極め付きは息子よりこんな言葉をもらって私は驚いた。

「アレッお母さん、アゴが出てきた!前はアゴなしババアだったのに、ちゃんとアゴ出てきてるよ!?」

 

確かに私は永年あきらめのストレートネックであったが、今回一晩に60回の壁スクワットは、私のストレートネックをかなり改善してくれたと思われる。

そして座位のとき、あまり深く腰掛けず手筋を伸ばしたままいられるようにもなっている。

 

坐骨神経痛は、、というより、痛みは、ちゃんとそのメッセージに耳を傾けていれば、最適な次のステップへと導いてくれるナビゲータだと思う