大基本4:陸と海からの生命力の結晶が身体を創る
同じ土地で育った全粒穀物
命の幹と魂をもたらす
玄米~三分搗米、ヒエ、アワ、キビ、ソバ、黒米、赤米、小麦、はと麦
玄米をお水に浸していると発芽します。白米は水に浸し一定時間たつと腐るかカビが生えてしまいます。この違いは一粒が持っているエネルギーの違いとも言えます。ごはん軽く一膳にお米は3000粒入っています。玄米を食べるか白米を食べるかの違いは大きいですが、いずれにしても「米粒」をよく噛むことによりデンプンをゆっくりと糖に変え消化の負担がなく、早くエネルギーになりしかも持続性があります。
一般のお米、すなわちイネは近代品種改良がすさまじく、大きい粒を多く収穫するため大量に肥料や農薬を与えられているものが多いですが、赤米、黒米などの古代米やヒエ、アワ、キビなどの雑穀は大昔からほとんど品種改良は行われておらず、ということはその土地にあった株が自力で繁殖してきており、とても強い生命力を持っています。玄米が苦手な方は、国産のこれらを白米に混在させて食べたり、料理にも使うことをお勧めします。
小麦は「粒」でなく「粉」にひいて加工するので、あまり噛まずに飲み込めてしまう点が主食にはやや劣るとされます。パン好きな方はできるだけ精製しない全粒粉を使ったり、白くない田舎パン、お砂糖や油脂を使わずに作るフランスパン等をよーく噛みながら召し上がることをお勧めします。
旬の野菜
抗酸化力、気候、風土への適応と抵抗力
山菜、野草、豆・豆の加工品、木の実、きのこ、種子、野菜、根菜、果物
植物は暑くても寒くても動くことができないためその場所で生き抜くしかありません。夏の直射日光を浴びてもヘタらず、凍てつく寒さにも凍らないよう糖を産生したり、有害な虫に食べられないよう忌避物質を生成したりしますが、これを食べることによって、その薬効を取り込むことになります。
そのため、同じ土地同じ気候で育つ野菜を摂ることは、風土に根ざし生きる適応力を得てゆくと言えます。逆に、遠く赤道直下で収穫する熱帯フルーツは、そこで現在生きる際に有用な性質を備えている為、極度に身体を冷やします。バナナやパイナップルは真夏でも東京では摂れません。
梅雨あけまではこれらを我慢し、熱帯夜を迎えるようになってからいただくと、とても下がる感覚がありおいしいので、真夏の楽しみとなります。
ただし、まず故郷で摂れる西瓜や葡萄があるならこれらが第一選択です。同じ土地で収穫できるものならどんなに食べ過ぎても冷えすぎることはありません。スイカは強力ミキサーで種ごとジュースにすると食事代わりになり、食欲がないとき無理にごはんやおかずを食べる必要はありません。
梅雨の終わりの湿気がおおい時期や、冷たいものを食べ過ぎた晩夏は胃腸が疲労し消化酵素も不足して食欲が喪失することはよくありますが、なんとか食べなければと無理にウナギや高カロリーなものを口にするのは、虐待行為です。身体の声に従い、胃腸は休めましょう。
自然海塩(ミネラル)
生命の源、命の働きを調和する
海塩、味噌、醤油、梅干、梅酢、漬物
生命発祥である海の自然塩と、その海塩を使って丸大豆や麦麹から一年以上発酵させてつくる味噌、小麦麹を発酵させる本醸造醤油、生のままでは猛毒な青梅を三日以上天日干しにしてから自然海塩と赤紫蘇で一年以上熟成させる梅干し、その途上でできる梅酢は、日本料理の基本調味料です。
高温多湿でカビの生えやすい日本では塩をしっかり摂取し、良性のカビ(麹)を常食して、悪性のカビが生えない体内環境を作ってきた智恵とも言われます
発酵によって湧く「乳酸」は腸管内を清掃して雑菌を抑制し、発酵の過程で抗酸化物質がたくさんでき、腸を元気にします。
特に特に梅干しには肉や魚の殺菌と、毒消し効果があり、肉食する方、海外へ行かれる際は常備必須です。
現在売られている発酵調味料や漬物はほとんどが化学精製塩で漬けている上に、砂糖、香料、保存料が添加されていて上記効能はありません。旬の時に残り野菜を漬け込むだけでよいので、できるだけ自家製漬物生活を楽しみましょう。
海藻
浄化
昆布、ワカメ、モズク、海苔、フノリ、寒天、ヒジキ、アオサ
彼らが太古の海に存在し、重金属や放射能などの毒性を排泄する働きがあったからこそ、動物が生まれ、やがて陸にも繁栄できました。
昆布で出しをとり、旬の短い海藻を乾燥し一年中手軽に摂る習慣のあった日本だからこそ、原爆も原発事故放射能漏れをも乗り越えることができたと言われています。繊細な味わいを活かせるのは和食ならではですが、世界的に体内環境汚染が進む今後需要は高まり、海藻を食べる文化が見直され、日本がけん引する役割を担うと思われます。
野菜と同じくらい、たくさんの種類があり、春には生が出回ります。ぜひ旬の時期は生も利用してみてください。
一日に一度は海藻入りのお味噌汁を摂り、内臓をクリーニングしましょう。
油
細胞の物質交換調節は油次第
αリノレン酸(オメガ3):エゴマ、アマニ油
リノール酸(オメガ6):ゴマ油、綿実油、紅花油、ひまわり油、オリーブオイル
αリノレン酸とリノール酸は正反対の調整機能を持ちペアで働く為これらのバランスが元気な細胞を造る鍵と言われます。
リノール酸は米、小麦、トウモロコシなどの穀類に多く含まれ、またほとんどの精製植物油は酸化を防ぐためリノレン酸が除去されてリノール酸に偏っている為、無意識でいるとどうしてもαリノレン酸不足になりがちだそうです。
αリノレン酸は細胞膜をしなやかにし、細胞間の物質の透過性がよくなります。しかしリノール酸が過剰になると炎症性が高まり免疫力も低下してガンなどになりやすくなると言われます。
αリノレン酸はEPAやDHAなどお魚に含まれることが有名ですが、種子や木の実、豆の他、かぼちゃ、はくさい、エノキ茸、味噌、納豆、高野豆腐、海藻、果物、根菜、雑穀にも含まれています。
動物性脂肪の害
動物性食品には細胞壁(食物繊維)がないため、穀物や野菜をたっぷり一緒に食べないと脂肪の吸収排泄を調節することができません。血液の粘度を高め、血球が凝縮して血流が悪くなり、細胞に酸素を送る力が弱まって血管壁が脆くなったり裂けるなどあるそうです。
トランス脂肪酸の有害性:マーガリン、ショートニング
細胞膜に入り込んで細胞と細胞膜の働きを狂わせガンの原因。ビタミンなどの栄養素を食い荒らす。悪玉コレステロールを増やし心臓病の原因。神経や免疫機能が不完全になるなど明らかになっています。欧米ではほぼ使用されなくなっているトランス脂肪酸ですが、なぜか日本ではまだまだ普通にたくさんの食品に入っています。日本の食品安全基準はとても低く、国際的に遅れています。加工品を買う際はご自身で厳しく確認してください。