大基本2:栄養ではなくエネルギー
栄養士さんや料理研究家がTVで、この食材にはどんなビタミンが豊富だとか、何かの症状にはこの食べ物のこんな成分がよく効くとか話されますね。本当にその成分が有効なら、それを抽出したサプリやお薬を飲めば、大概の症状は簡単に解消し、薬はもっと病気を治しているはずではありませんか?
人間だけが成長のためにタンパク質や必須アミノ酸を網羅しなくてはならないのでしょうか?
明治時代の初め、初めて日本を訪れた西洋人は、梅干しのおにぎりやたくわんだけで何十キロも籠や人力車などをひく日本人のスタミナにとても驚き、牛肉や牛乳を摂ればもっと走れるのではと試したところ、逆にすぐ疲れてしまったという記録を残しています。
‛身体を機械のように分析’することから研究されてきた現代栄養学では、植物しか食べないベジタリアンは必須栄養素が足りず、貧血になると言われています。しかし実際には、私のヴィーガン仲間に貧血患者はいません。逆に学生時代から貧血で悩んでいた友人はお肉が大好物でしたが鉄欠乏性と言われ、鉄剤を処方されていました。
動物の肉にはヘムと呼ばれる血色素の構成成分が豊富に含まれていますが、それを摂取したからといって、すぐその人の体内で血色素になるとどうして言えましょう。
血が足りないなら鉄を含んだものを食べれば血が増え、骨がもろいならカルシウムをたくさん摂れば骨密度が増す・・とすれば貧血や骨粗しょう症の治療は簡単ですが、現実はそれほど単純ではありません。
なぜなら、生命が求めているのはそれを創るためのエネルギーであり、物質ではないからです。
生命のエネルギー生成を促すエネルギー、それは太陽はじめ生きている生命からこそ得られます。
植物は太陽エネルギーのバッテリーを備えており、土から切り取られてもしばらくは呼吸し生きています。お米の表面や発酵食品には生きた乳酸菌がいて細胞内とエネルギー交換をしています。こうした生命が私たちの体内に摂取され、消化代謝や肝臓でのエネルギー産生回路を活性化してくれます。
殺傷されて数日経過した動物やこれを使った加工品には生命エネルギーはほぼなくなっています。
肉食動物は基本、生きている肉しか食べません